アメ車買取情報
その昔、アメ車といえばデカくてエラいことを体現する存在だった。
1910年代にヤナセが輸入を始めた頃、キャデラックを買うなんて人は皇族や華族、政治家くらいなもので、一般人とは縁遠い富と身分の象徴。
でも時代はどんどん均一化して、日本人もバブル景気とともに庶民までが裕福になっていく。
アメリカが20年前に経験したことを追体験したわけで、そうなると庶民もどんどんガイシャに乗る。
すると憧れるだけの存在だったキャデラックだって「買えるかも」と気になる。
けれど、ドイツの高級メーカー、メルデセス・ベンツやBMWが裾野を広げて庶民でも手が届く車種をジャンジャン登場させた。
すると昔ながらのデカくてエラそうなキャデラックは時代遅れの色あせた存在になってしまう。
そこで起死回生、一発逆転を狙って開発されたのがキャデラック・セビルだ。
初代が発売された70年代当初からキャデラックシリーズとしては最小サイズ。
それでも5mは超えるわけだが、十分に小さくなっていた。
その流れを受けて86年に登場したのが3代目。
ヨーロッパ調の洗練されたスタイルを採用して、一気にキャデラックシリーズの代名詞になった。
その流れを汲んで92年にフルモデルチェンジしたのがAK34Kセビル。
スタイルはより洗練され、昔のデカくてエラいクルマではなく、洗練されたラグジュアリーセダンという価値観を決定付けたモデルだ。
エンジンも5.7リッターとかの巨大さだけがウリみたいな時代とは決別。
V8はV8でも気筒当たり4バルブなんて先進設計を採用したからユッタリ乗ることも、俊敏に乗ることもできた。
いわば、昔ながらのアメ車イメージに高性能かつスタイリッシュさを加えた日本人好みの高級セダンだった。
とはいえ、あの当時でも700万円台だったから、そうそう新車が買えたわけじゃない。
「いつかは」と憧れた人も多かっただろう。
それから早くも20年近く経ち、憧れた気持ちを忘れていないだろうか?
そんな人にこそ見て欲しい1台が現れた!
なんと、実走行距離が1万キロにも満たない7000キロ台、おそらく大事に車庫保管されてきたのだろうセビルが発掘されたのだ!
塗装のツヤを見れば程度は誰にでもわかろうというもの。
ましてや純正アルミがこんなキレイな状態で残ってるなんて、もう奇跡。
内装はといえば年式的にひび割れて当たり前の革シートが弾力を保ち、インパネのウッドにも割れはない。
もちろんエンジンや駆動系に何の問題があるだろう?
これに今乗っていたらサイコーにオシャレだし、こだわっているんだな、って誰からも一目置かれそう。
いや、あるところにはあるもんですね~